ロッテルダム中央駅地下の駐輪場を視察、駐輪可能台数8,000台!
2025年7月、渋谷駅周辺地域のまちづくり協議会による、ドイツ・オランダまちづくり視察団の一員として視察に参加、伊藤が楽しみにしていたのが自転車大国とほまれの高いオランダの自転車事情の調査でした。視察全体の報告は後日にまわすとして、まずは自転車族議員として、アムステルダム市、ロッテルダム市の自転車事情を報告します。
アムステルダム市の自転車行政視察はシェアサイクルに乗り、街のあちこちのポイントでアムステルダム市の自転車行政担当者から自転車事情を聞こうというもの、視察の設定から秀逸です。オランダ視察に入った7月、南欧の国々は40℃を超える暑さとの報告がありましたが、オランダに関しては摂氏17℃〜21℃くらいで連日雨に降られていました。しかし自転車行政視察日の視察時間に当たる午前中、3時間のみ奇跡的に空が晴れたのです。本当にラッキーなことでした。
アムステルダム市担当者の説明を聞き、現地を見ていよいよオランダの自転車行政が進んでいることが分かりました。オランダ国民の自転車保有率は1.25、日本の2倍を超え世界一であること、アムステルダム市の自転車専用道整備の総延長が736kmにも及ぶこと、通勤通学、買い物などの移動手段として自転車利用率が33%、自動車は21%にすぎません。また印象的だった説明が「移動手段としての自転車は自動車よりすべてにおいて優位だと市民が感じている」という点、我われにファイルを示して、ロイヤルファミリーや首相も自転車で移動しているとドヤ顔で説明してくれました。
そして一番驚いたのは公共駐輪場の整備です。アムステルダム中央駅には街側は運河の地下に、海側は海中にそれぞれ駐輪場が整備されています。そしてその収容台数は計12,000台分にも及びます。ちなみに渋谷駅周辺地域の駐輪場は公共駐輪場500台、民間駐輪場600台の計、1,100台、桁が違います。。朝ジョギングをしてみれば、街中の至るところに駐輪スペースがあることにも感動しました。
こちらの写真を見てください。自転車専用道と車路、歩道の境に数センチほどの段差があるのが分かります。自転車を利用している方ならこの段差にタイヤの側部が触れた場合かなりの確率で転倒する危険性があります。その点を率直に尋ねたところ、担当者は一瞬ビックリした顔をし、首を左右に2〜3度振りながら「とてもいい質問です」と答えました。実はアムステルダム市も自転車事故の調査をする中で、自転車専用道と車路、歩道との段差に引っかかって転倒する件数が多いことが分かったそうです。700kmオーバーにおよぶ自転車専用道全体を改良するのは難しいでしょうが、段差の激しい道路には斜めや丸いスロープを付けるなど対策を提言させていただきました。
ともあれオランダは自転車大国というより、もはや自転車天国といっていいかもしれません。この視察の経験は今後の渋谷区内での自転車行政にしっかりフィードバックしていきます!!
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