国に物申す!渋谷区議会、意見書を議決
〜8万人収容の新国立競技場の駐輪台数がたったの95台!?〜

着々と建設工事が進む新国立競技場 2017年7月


本年3月に行われた渋谷区議会の五輪・パラリンピック対策特別委員会と新国立競技場整備を担当する、独立行政法人日本スポーツ振興センター(以下JSC)・新国立競技場設置本部との懇談会にて、伊藤がかねてより要望を続けてきた「自転車駐輪場・駐車台数の増」に対してJSC担当者からの回答は「95台に決まりました。そもそも自転車での来場を見込んでいませんし、新国立競技場の敷地も広いようにみえて以外に場所がないものですから」という驚愕のものでした。

113,000㎡(約34,250坪)もの敷地に自転車駐車場をきちんと整備する場所がない?自転車での来場を見込んでいない?冗談ではありません。ラグビーワールドカップが行われる調布の味の素スタジアムは敷地内と隣接地に2900台分の駐輪場を確保していますし、仮に渋谷区内で大規模商業施設などを建設する場合に、駐輪場付置台数を定めた「渋谷区土地利用調整条例」に照らし合わせた場合、この規模のスタジアムであれば3900台の駐輪場を作らなければならないのです。

このまま予定通りに建設工事が進めば、スタジアム周辺りのまちに違法駐輪があふれることは火を見るより明らかです。私は問題発覚後、超党派国会議員で組織された「自転車活用推進議員連盟」総会の場で問題提起をし、世論にも訴えてきました。このたび五輪・パラリンピック対策特別委員長に返り咲いたタイミングで、特別委員会として下記のとおり国への意見書を提出することを提案、6月20日の区議会本会議で議決、関係機関に送付いたしました。

引き続き新国立競技場駐輪場・駐輪場増加運動を強化していきます。皆さんのご協力もよろしくお願いいたします。

新国立競技場建設計画における駐輪場・駐輪台数の増加を求める意見書

独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)・新国立競技場設置本部の発表では新国立競技場内に予定されている駐輪場は一ヶ所、駐輪台数は95台とのことである。昨今の自転車需要の増大を鑑みれば、最大8万人収容のスタジアムの駐輪台数としては、少なすぎることは明白である。

国では「自転車活用推進法」が制定され、特別区内でも各区を繋いだシェアサイクル事業が進むなど、2020年のオリンピック・パラリンピックに向け、自転車走行環境の整備が急ピッチで進み、今後さらなる自転車利用者数の増加が見込まれている。ちなみに、約5万人収容の味の素スタジアムの駐輪台数は、スタジアム内に900台、隣接地に2000台以上と、あわせて2900台以上の駐輪スペースが確保されている。新国立競技場においては2ヶ所以上の駐輪場の設置、1000台以上の駐輪台数の確保が必須である。

よって渋谷区議会は政府に対し、新国立競技場建設計画における駐輪場・駐車台数の増加を強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成29年6月20日
渋谷区議会議長名

内閣総理大臣
文部科学大臣
国土交通大臣
東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣 あて


区議会本会議で意見書の提案理由を説明する伊藤たけし委員長