渋谷・東地区まちづくり協議会
ニューヨーク(NY)視察2016
渋谷区が進める「新宮下公園等整備事業」は現在、都市計画手続きに入る段階で、立体都市公園として2020年東京オリンピック・パラリンピック前に完成予定です。渋谷エリアから原宿エリアを繋ぐ歩行者と緑のネットワークの形成、公園と商業施設、ホテルが一体となりにぎわいを創出するとともに、地域の防災拠点としての機能も持たせねばなりません。宮下公園一帯をその範囲におさめる渋谷区認定のまちづくり団体である「渋谷・東地区まちづくり協議会(小林幹育代表幹事)」では「新宮下公園のモデルとなった公園がNYにある」との情報を得、まちづくり協議会メンバーを中心に、渋谷駅中心地域の開発に関わる、鉄道事業者、新宮下公園の開発事業者、渋谷区商店会連合会代表なども加わる視察団を結成、7月4日から10日までの日程でNY視察を行いました。

ハイラインにて視察団の集合写真

公園視察・調査

新宮下公園整備事業の肝、それは3階建・商業施設屋上部分の立体都市公園としてどれだけ、渋谷エリアと原宿エリアを繋ぐ歩行者ネットワーク、緑のネットワークが形成できるか、また地域に開かれたコミュニティの核となれるかにかかっています。その意味合いで新宮下公園整備に大いに参考となるNYの公園4ヵ所を紹介します。


「ハイライン」
延長2.3kmに及ぶ高架線路上に造られた公園で、新宮下公園構想のモデルであり、現在の宮下公園のイメージにもっとも近い公園です。ただし宮下公園との違いは、公園からまちへの結節カ所が多いこと、商業施設やホテルとほぼ一体となっていることから、われわれが訪れたのが平日にもかかわらず、利用者・通行者の数がとても多かったことです。
 
 
 


「ブライアントパーク」
「ブライアントBID」(BIDとは特定エリアを対象に地権者からの負担金をもとにエリアマネジメントを行う組織、現在NYに63地区)による運営が開始され、70’〜80’にかけて麻薬取引や各種犯罪の拠点となっていたブライアントパークが、まさに地域コミュニティの核となる公園に生まれ変わり、地域全体のブランド力も上がったのです。その取り組みの主なものは①視認性を高める改修工事②警備、清掃の徹底③トイレ、カフェなどの充実④4500個のイスを置いて利用者が自由に使用できるようにする⑤年間を通じてイベントを行い来園者を確保、などとなっています。「自由に使えるイス」は新宮下公園でもぜひ導入したいプランです。
 
 


「その他の公園」
その他にも「マジソンスクェアパーク」では近年外苑や恵比寿に進出した有名ハンバーガーショップ「シェイクシャック」が1号店を出店したように、新宮下公園でも来園者をお店の魅力で呼び込むような、そんな運営が望まれます。また、伊藤は過去宮下公園とその付近での「日曜朝市」提案しましたが、「ユニオンスクェアパーク」では、月・水・金・土の週4日間、ファーマーズマーケットを開催し地域の活性化に繋げています。新宮下公園でも、現在の駐輪場、駐バイク場のある渋谷川暗渠部分で開催できれば楽しいと思います。
 
 


ホテルの視察・調査

新宮下公園等整備には公園と併設したホテルの建設も予定されています。深刻なホテル不足を抱える渋谷区としては、願ったり叶ったりのプランですが、だからといってごくごく平凡なビジネスホテルを作られても仕方がありません。やはり、防災拠点であり地域コミュニティの核となる宿泊施設が望まれます。NYではハイラインに隣接した「スタンダードホテル」とロビーフロアを地域にも開放している「エースホテル」を視察、スタンダードホテル屋上にある「ルーフトップバー」、エースホテルの持つコミュニティスペースとしてのロビーフロアの開放、ぜひ、新宮下公園のホテルでも導入したいプランです。
 


エンターテイメント視察 タイムズスクェア・アライアンス訪問

渋谷には文化村やシアターオーブなどの劇場、映画館、ライブハウス等のエンタメ施設、また10月末のハロウィンや年末スクランブル交差点でのカウントダウンなど、エンターテイメントを楽しめる資源が多数あります(すべてが地域に歓迎されてはいませんが…)。NYのブロードウェイを歩くと規模感が渋谷に似ているこの地域こそ、近未来に渋谷が真のエンターテイメントシティになるためのお手本ではないかと思えてきます。

ブロードウェイの中心に位置するタイムズスクエアでは、やはりBID組織であるタイムズスクエア・アライアンスを訪問、長谷部区長から預かった親書を手渡し、世界的に有名なタイムズスクエアのニューイヤーズイブ・カウントダウンと渋谷スクランブル交差点での年末カウントダウンの連携を確認しました。さらには全米有数の興行プロモーターである「ミュージックシアターインターナショナル」に青鹿副代表をたずね、エンターテイメントシティ渋谷を目指すためのアドバイスを多方面に渡りいただきました。
 
 


終わりに
伊藤たけしと仲間たちはハードな日程をこなしながらも、毎朝ジョギングを楽しみました。セントラルパークとハドソン川沿いのランニングコース、どちらも快適でした。
 
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