開かれた区政へ! パブリック・コメント制度始動
 
情報開示は不充分・今後の運用に期待

 本年4月よりスタートした「パブリック・コメント制度」の運用第一号として渋谷区及び教育委員会は「上原中学校建て替え計画」に当制度を適用しました。

完成予想図

外観パース

完成予想図
外観パース
 
パブリック・コメント制度とは?
 この制度は区民生活に深く関わりのある区の計画等を決定する時に、事前に案を公表し区民から意見を聞き、それを考慮した上で決定する制度です。寄せられた意見は区の考え方を示しながら公表されます。私は今回の統一地方選挙で公約(マニフェスト)として、区民参加の切り札である同制度の導入を訴えてきました。早速同制度が上原中学校建て替え計画に反映されたことは評価できます。
 
上原中学校建て替え計画の情報開示は不充分
 しかし今回公表された案は「学校改築にあたっての基礎的な考え方」であり、これは既に6月中旬に区議会で報告もされ、この考え方に基づいて各設計事務所から企画提案書が出されたものです。パブリック・コメント制度では、案の公表から20日間以上が区民等からの意見を聞く期間となっていて、この計画は8月1日〜8月22日までで募集期間は終了しています。案が公表されたのは8月1日ですが、実はその直前7月29日には既に複数の企画書の中から「アルセッド建築研究所」が提案した企画が教育委員会で決定されたと議会に報告されています。ここに示したパースや平面図が既にあるにもかかわらず「基本的な考え方」だけを示して、区民から意見を求めてもまともな意見が出るはずもありませんし、情報を故意に出し惜しみしていると取られても仕方がありません。

立断面図

立断面図

2階平面図

2階平面図


 既に私はこの件に対して区当局に強く改善の申し入れを行いました。今回がパブリック・コメント制度実施第一号だったため、区当局が慎重になりすぎたのかもしれませんが、今後はこの素晴らしい制度が「仏作って魂入れず」とならないよう、当制度の主旨を充分生かした運用が望まれます。
上の画像はクリックすると大きな画像でご覧いただけます